ホームページのどこまで自分で編集できるのか|編集できない箇所がある理由と、依頼前に決めておくこと

アイキャッチ — 同じWebページを2層に分け、上層(編集できる部分)が明るく、下層(テンプレートに固定された部分)が薄いグレーで示された対比図

「WordPressで作るので、あとはご自身で更新できます」——制作会社からこう言われて発注したのに、いざ公開後に管理画面を開いたら、直したい場所が編集画面に見当たらない。この食い違いは、私たちが実際に経験したものでもあります。

原因は多くの場合、手抜きでも技術不足でもありません。「どこを編集できるようにするか」を、発注の段階で誰も決めていなかったことにあります。この記事では、編集できる・できないがどう決まるのか、なぜ差が出るのか、そして依頼前に何を伝えておけばよいのかを整理します。

この記事の結論

「WordPressだから全部編集できる」は正しくありません。編集できる範囲は、制作時にどう作ったかで決まります。同じ見た目のページでも、作り方次第で「文章も画像も自由に変えられる」ことも「1文字も変えられない」こともあります。だからこそ、発注前に「自分で更新したい箇所」を具体的に挙げておくことが唯一の対策です。「全部」と言うのではなく、ページ名と箇所を名指しで伝えてください。


目次

そもそも、なぜ編集できない箇所ができるのか

ホームページの中身は、ざっくり2つの層に分かれています。

中身編集
データお知らせの本文、料金表の数字、スタッフ紹介の文章など管理画面から編集できる
テンプレートページの骨組み、見出しの配置、装飾、繰り返しの構造管理画面からは編集できない

管理画面から変えられるのは、データとして持たせた部分だけです。テンプレート側に文字を直接書き込んで作ってあると、その文字は「デザインの一部」になってしまい、管理画面のどこにも現れません。

厄介なのは、見た目では区別がつかないことです。同じように見える2つの見出しが、片方はデータ、片方はテンプレート、ということが普通に起こります。

例:よくある食い違い

  • トップページのキャッチコピー — デザインに強く組み込まれているため、テンプレート側に固定されていることが多い
  • 料金表 — 表組みごとテンプレートに書かれていると、金額の変更もできない
  • ヘッダー・フッターのメニュー — 「外観 > メニュー」から編集できる作りと、コードに直接書かれた作りがある
  • 特定商取引法に基づく表記・プライバシーポリシー — 条文が長いため、テンプレートに直書きされがち

どれも「よくある更新したい場所」です。だからこそ、ここが編集できないと後で困ります。


「全部編集できるように」が最善とは限らない

では全部をデータにすればいいかというと、そう単純でもありません。

すべてを編集可能にすると、管理画面の項目が膨大になります。「お知らせを1本足したいだけなのに、どこを触ればいいのか分からない」という状態は、編集できないのと実質同じです。また、レイアウトに関わる部分まで自由にすると、うっかり触ってデザインが崩れるリスクも上がります。

現実的なのは、更新頻度で線を引くことです。

更新の頻度推奨
月に何度もお知らせ、ブログ、実績必ず編集できるように
年に数回料金、営業時間、スタッフ編集できるようにしておくと安心
ほぼ変えない会社概要の沿革、サイトの構造制作会社に依頼で十分

「ほぼ変えない箇所」まで編集可能にするのは、費用と管理画面の複雑さに見合いません。変える予定があるものだけを編集可能にする、が費用対効果の面でも現実的です。


発注前に伝えるべきこと

打ち合わせで「自分でも更新したいです」と伝えるだけでは足りません。この一言は、制作側には「お知らせが更新できればいい」とも「全ページを自由に触りたい」とも受け取れてしまいます。

名指しで伝える

・トップページのキャッチコピー → 変えたい(年1回くらい)
・料金表の金額 → 変えたい(改定のたび)
・お知らせ → 自分で追加したい(月2〜3本)
・スタッフ紹介 → 入れ替えたい(年2〜3回)
・会社概要の沿革 → 変えない(依頼でよい)

このくらい具体的に書けば、制作側は作り方を決められます。ページ名と箇所、そして更新の頻度の3点が揃っていれば十分です。

「今は変えないが、将来変えるかもしれない」も伝える

これが意外と重要です。後から編集可能にするには、テンプレートを作り直して、既存の内容をデータへ移す作業が発生します。最初から編集可能に作っておくより手間がかかることが多く、追加費用の原因になります。


納品時に必ず受け取っておくもの

制作が終わったら、どこが編集できてどこができないかの一覧を必ずもらってください。私たちは「編集可否マップ」と呼んでいて、こういう形で納品時にお渡ししています。

ページ箇所編集編集する場所
トップキャッチコピー固定ページ「トップ」本文
トップ実績スライダー投稿タイプ「実績」
トップ背景の装飾×デザインの一部
料金金額・プラン名固定ページ「料金」本文
共通ヘッダーメニュー外観 > メニュー

この一覧があれば、「編集できると思っていたのにできなかった」という食い違いは起こりません。口頭の説明だけで済ませないことをおすすめします。後から確認する手段が残らないためです。


よくある質問

Q. ページを新しく増やすことはできますか?

固定ページの追加自体は管理画面からできますが、トップページと同じデザインにはなりません。デザインが決まっているページ(トップ・サービス紹介など)は専用のテンプレートで作られているためです。同じ見た目のページを増やす予定があるなら、それも最初に伝えておく必要があります。

Q. 画像の差し替えはできますか?

データとして持たせてあれば管理画面から差し替えられます。ただし、デザインの一部として組み込まれた画像(背景の模様、装飾のイラストなど)は対象外です。また、差し替えた画像のサイズや縦横比が元と大きく違うと、レイアウトが崩れることがあります。

Q. 「更新できます」と言われたのに、できませんでした。直してもらえますか?

まずは契約書と見積書の記載を確認してください。編集可能な範囲が明記されていれば、その範囲での対応を求められます。明記がない場合、追加作業として費用が発生することが一般的です。だからこそ、発注前に具体的に決めておくことが効いてきます。


まとめ

  • 「WordPressだから全部編集できる」は正しくない。 編集できる範囲は作り方で決まる
  • 見た目ではデータかテンプレートかを区別できないため、事前の取り決めが必要
  • 全部を編集可能にするのが最善とは限らない。更新頻度で線を引くのが現実的
  • 発注前にページ名・箇所・更新頻度の3点を名指しで伝える
  • 納品時に編集可否の一覧を受け取る。口頭説明で済ませない

ホームページは公開してからが始まりです。「自分で更新できるはずだった」という後悔は、発注前の10分の打ち合わせで防げます。

自分で更新する具体的な操作手順はWordPress基本操作ガイドで、制作の進み方全体はホームページ制作の流れで解説しています。公開後の運用費用についてはホームページの維持費もあわせてご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次