採用ページは何をどの順で載せるか|応募が来る構成と、来ない構成の違い

アイキャッチ — 求職者が会社を知る→仕事を知る→働く姿を知る→条件を知る→応募する、という階段を上っていく構図で採用ページの情報の流れを示した図

求人媒体に出しているのに応募が来ない。あるいは応募は来るけれど、面接に来ないまま辞退される——。

こうした相談を受けて自社サイトを見に行くと、採用ページが「募集要項の貼り付け」1枚だけというケースがかなりあります。給与・勤務時間・休日・応募方法。必要な情報は全部載っているのに、応募につながっていない。

理由ははっきりしていて、求職者が知りたい順番と、ページに並んでいる順番が逆だからです。この記事では、採用ページに何を、どの順で載せるかを整理します。

この記事の結論

募集要項は最後に置いてください。 求職者は「会社を知る → 仕事を知る → 働く姿を知る → 条件を知る → 応募する」の順で情報を取ります。条件から始まるページは、条件だけで比較され、給与の高い会社に負けます。 中小企業が勝てるのは条件ではなく、「誰と、何を、どういう空気でやるか」が分かることです。


目次

応募が来ないページには3つの型がある

まず、うまくいっていないページの共通点から見てください。当てはまるものがあれば、そこが先に直す場所です。

見た目求職者が思うこと
要項だけ型給与・時間・休日の表が1枚「ここで働くイメージが湧かない」
理念だけ型社長メッセージと理念が長い「で、実際は何をする仕事なの」
求人媒体まかせ型「求人情報はこちら」の外部リンクのみ「自社サイトに何も書かないということは、採用に力を入れていないのでは」

3つ目が意外と多い型です。求人媒体に出しているから自社サイトは不要、と考えてしまうのですが、求職者は応募前にほぼ必ず会社名で検索します。 そこで出てきた自社サイトに採用の情報が無いと、媒体で作った興味がそこで止まります。

会社名での検索は「最終確認」

求人媒体で見つけた会社を、応募前に会社名で検索する——この動きは中途採用でほぼ標準です。自社サイトは集客ではなく、最後の背中を押す役割を持っています。ここが空だと、媒体に払った費用が途中で漏れます。


掲載順は「求職者が知りたい順」で決まる

必要な要素はどの会社でもだいたい同じです。差が出るのは並び順です。

図解 — 採用ページのセクションを上から順に並べ、それぞれで求職者が抱く疑問を吹き出しで添えた縦長の構成図
図解 — 採用ページのセクションを上から順に並べ、それぞれで求職者が抱く疑問を吹き出しで添えた縦長の構成図
STEP
① 会社を知る(どんな会社か)

何をしている会社で、どのくらいの規模で、どこにあるのか。1〜2段落で十分です。ここで長い理念を語らないこと。求職者はまだ会社に興味を持っていません。

STEP
② 仕事を知る(何をする仕事か)

募集している職種の1日の流れを書きます。「9:00 朝礼と当日の段取り確認/10:00 現場へ移動」のように具体的に。ここが最も読まれる場所です。

STEP
③ 働く姿を知る(誰と働くか)

先輩社員の声を1〜3人分。顔写真と、入社前に不安だったことを含めて書くと効きます。良いことだけ並べると読まれません。

STEP
④ 条件を知る(募集要項)

給与・勤務時間・休日・福利厚生・選考の流れ。ここは表で正確に。

STEP
⑤ 応募する

フォームまたは電話。このページ内で完結させます。別ページへ飛ばすほど脱落します。

①〜③を飛ばして④から始まっているページが、いちばんよくある失敗です。

業種ごとに厚くする場所が変わる

同じ順番でも、力を入れる場所は業種で変わります。

業種厚くする場所理由
建設・施工②仕事の流れ・現場写真「きつそう」の中身が分からないと応募されない
飲食・小売③働く人・シフトの実例人間関係とシフトの融通が判断軸
事務・バックオフィス②業務範囲・使うツール「何でも屋」になるのを警戒されている
専門職①会社の事業・②任せる裁量仕事の中身と成長の余地で選ばれる

建設業の採用ページの作り方は 建設業・工務店のホームページ制作 でも触れています。


写真と社員の声は「作り込むほど逆効果」になることがある

採用ページで一番よく相談を受けるのが写真です。結論から言うと、プロが撮った集合写真1枚より、現場のスマホ写真3枚のほうが効くことがあります。

理由は単純で、求職者が知りたいのは「きれいな会社かどうか」ではなく「自分がここにいる姿が想像できるか」だからです。

  • 実際に働いている場所が写っている(会議室の集合写真ではなく、現場・作業台・デスク)
  • 顔が写っている(後ろ姿・手元だけの写真ばかりだと人が見えない)
  • 加工しすぎていない(明るさの調整までで止める)
  • 数が少なくてよい(3〜5枚で十分。多いと読まれない)

社員の声も同じです。「風通しがよく、やりがいがあります」という文章は、どの会社のページにも載っているので情報量がゼロです。

注意

社員の声を載せるときは、入社前に不安だったことを必ず1文入れてください。「未経験だったので工具の名前も分かりませんでしたが、最初の3か月は先輩について回るだけでした」——この1文があるかどうかで、読まれ方が変わります。良い面だけの文章は、読み飛ばされるか、疑われます。


募集要項は「書いていないこと」で判断される

要項は正確さがすべてです。そして求職者は、書いてあることよりも書いていないことを気にします。

項目よくある書き方求職者の受け取り方
給与「経験に応じて優遇」下限が分からない=安いのでは
残業記載なし多いから書いていないのでは
休日「週休2日」完全週休2日ではないのでは
選考記載なし何回面接があるか分からず予定が立てられない

曖昧に書くより、範囲で正直に書くほうが応募は増えます。 「月給24万〜32万円(経験により決定)」「残業は月平均15時間、繁忙期は30時間程度」のように、幅と実態を出す。ここで見栄を張ると、入社後の早期離職につながって結局やり直しになります。

選考の流れと所要日数は必ず書いてください。


自社サイトと求人媒体の役割は分ける

両方に同じことを書く必要はありません。役割が違います。

求人媒体自社サイト
役割見つけてもらう納得して応募してもらう
書く量枠に収まる範囲制限なし
更新掲載期間ごといつでも
費用掲載ごとに発生作れば残る

媒体は「窓口」、自社サイトは「実物を見せる場所」です。媒体に載せきれない1日の流れ・社員の声・現場写真を自社サイトに置き、媒体からはそこへ誘導する。この形にすると、媒体の掲載費を上げずに応募の質が上がります。

採用ページは一度作れば残る資産です。掲載期間が終わると消える媒体と違い、会社名で検索した人にずっと見てもらえます。


よくある質問

採用ページは何ページ必要ですか

1ページで足りることがほとんどです。職種が3つ以上あり、それぞれ仕事の中身が大きく違う場合だけ、職種ごとにページを分けます。最初から分けすぎると、更新されないページが増えるだけになります。

常時募集していない場合も採用ページは作るべきですか

作っておくことをお勧めします。募集していない期間は「現在は募集していません」と明記したうえで、仕事の内容と社員の声は残しておく。会社名で検索した人が「どんな会社か」を知る材料になりますし、募集を再開するときに書き直しが要りません。

応募フォームは何項目にすればよいですか

氏名・連絡先・応募職種・自由記述の4つで十分です。履歴書の内容をフォームに入力させると、そこで離脱します。詳細は面接前にやり取りすれば間に合います。フォームの作り方は 問い合わせフォームの作り方 を参照してください。

社員が少なくて「社員の声」を載せられません

代表の方自身が「どんな人と働きたいか」を書くだけでも成立します。人数の少なさは弱点ではなく、「誰と働くかが最初から分かる」という強みとして書けます。無理に人数を揃える必要はありません。


まとめ

採用ページで応募が増えるかどうかは、情報の量ではなく順番で決まります。

  • 会社 → 仕事 → 働く人 → 条件 → 応募、の順に並べる
  • 募集要項から始めない。条件だけで比較されると中小企業は不利になる
  • 写真は作り込みより「実際の場所と顔」。社員の声には不安だったことを1文入れる
  • 要項は範囲で正直に書く。書いていない項目は悪いほうに解釈される
  • 求人媒体は窓口、自社サイトは実物を見せる場所として役割を分ける

いまの採用ページがどの型に当てはまるか分からない場合は、URLをお送りいただければ構成の観点で確認します。お問い合わせからご相談ください。

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