Vercel + Next.jsのホスティング費用|中小企業の運用コスト

アイキャッチ — Vercelのロゴとコスト計算のイメージ図、電卓と料金グラフ

「Next.jsでサイトを作ると、毎月のサーバー代はいくらかかるの?」「Vercelって無料で使えるって聞いたけど、商用でも大丈夫?」

Next.jsでの企業サイト制作を検討する際に、制作費用の次に気になるのが毎月の運用コストだと思います。

この記事では、Next.jsの公式ホスティングサービスであるVercel(ヴァーセル)の料金体系を、中小企業の視点で徹底解説します。私自身がVercelを使ってクライアントの企業サイトを運用しているので、実際にかかっている費用の実数値も含めてお伝えします。

この記事の結論

中小企業のコーポレートサイトをNext.jsで運用する場合、Vercelの費用はProプランの月額$20(約3,000円)が基本になります。Hobbyプラン(無料)は個人・非商用向けのため、商用サイトはProプラン一択です。月間1,000〜50,000PV規模であれば、従量課金の超過が発生することはほぼありません。


目次

Vercelとは?まず基本を押さえる

Next.jsの「生みの親」が運営するホスティングサービス

Vercel(ヴァーセル)は、Next.jsを開発したVercel社自身が運営するホスティングサービス(Webサイトを公開・配信するためのサービス)です。

これを身近なものにたとえると、トヨタが作った車(Next.js)を、トヨタ純正のディーラー(Vercel)で整備・管理してもらうようなものです。開発元が運営しているため、Next.jsとの相性は抜群で、最新機能にも最初に対応します。

なぜVercelが選ばれるのか

Next.jsのサイトは、Vercel以外のサービス(自社サーバー、AWSなど)でも公開できます。しかし、中小企業のコーポレートサイトにはVercelが最適だと私は考えています。理由は以下の3つです。

  1. 設定がシンプル ── GitHubと連携するだけで自動デプロイが完了
  2. SSL証明書が自動 ── https化の作業が不要
  3. CDN(世界各地の配信拠点)が標準装備 ── 追加設定なしでサイトが高速に配信される

正直に言うと、AWSやGoogle Cloudでも同じことは実現できます。しかし、インフラ(サーバー基盤)の専門知識が必要で、設定ミスのリスクもあります。中小企業がわざわざそのリスクを取る必要はないというのが私の見解です。

VercelとAWS等の設定の複雑さを比較する概念図。Vercelはシンプルな矢印1本、AWSは複数のサービスが絡み合う図
VercelとAWS等の設定の複雑さを比較する概念図。Vercelはシンプルな矢印1本、AWSは複数のサービスが絡み合う図

Vercelの料金プラン|3つのプランを比較

プラン一覧と費用

Vercelには3つの料金プランがあります。

プラン月額対象
Hobby無料個人プロジェクト・学習用
Pro$20/ユーザー(約3,000円)商用サイト・チーム開発
Enterprise要見積もり大規模サイト・高セキュリティ要件

結論から言うと、中小企業の企業サイトにはProプランが適しています。月額$20(約3,000円)で、ほとんどのケースでは追加料金は発生しません

Hobbyプラン(無料)の注意点

「無料で使えるなら、Hobbyプランで十分じゃないの?」と思われるかもしれません。しかし、Hobbyプランを商用サイトに使うことは推奨されません

制限事項HobbyPro
商用利用非推奨(個人・非商用向け)OK
チームメンバー1人のみ制限なし
データ転送量100GB/月1TB/月
ビルド時間6,000分/月24,000分/月
サーバーレス関数の実行時間100GB-時間/月1,000GB-時間/月
サポートコミュニティのみメール・チャット
注意

特に重要なのは、Hobbyプランが「非商用・個人利用」を想定したプランであるという点です。クライアントのサイトをHobbyプランで運用するのは、規約の趣旨に沿いません。月額約3,000円の差なので、商用サイトは迷わずProプランを選ぶべきです。

イメージ図(実画面ではありません) スクリーンショット — Vercelのプラン選択画面
イメージ図(実画面ではありません) スクリーンショット — Vercelのプラン選択画面

Proプランで何ができるか

Proプランの基本リソースは以下のとおりです。

リソース含まれる量
データ転送量(帯域幅)1TB/月
ビルド実行時間24,000分/月
サーバーレス関数の実行1,000GB-時間/月
画像最適化5,000枚/月
プロジェクト数100個

1TBのデータ転送量がどれくらいかというと、1ページあたり500KBの企業サイトなら、月間200万ページビュー分に相当します。中小企業のコーポレートサイトで月200万PVを超えることはまずありません。


従量課金の仕組み|超過したらいくらかかる?

基本料金を超えた場合の追加費用

Proプランの基本リソースを超えた場合、従量課金(使った分だけ追加料金)が発生します。

リソース超過時の単価
データ転送量$0.15/GB
サーバーレス関数の実行$0.18/GB-時間
Edge関数の呼び出し$0.65/100万回
ISR(増分的静的再生成)$0.40/100万回
画像最適化$5.00/1,000枚

中小企業サイトで超過する可能性はあるか

ほぼありません。これが正直な答えです。

中小企業のコーポレートサイトは、通常以下のような規模です。

指標典型的な数値
月間PV1,000〜50,000PV
ページ数5〜20ページ
画像点数50〜200枚
ビルド回数月5〜30回

この規模であれば、Proプランの基本リソース内で余裕を持って運用できます追加料金を心配する必要はほぼないと考えて大丈夫です

注意

ただし、注意すべきケースがあります。サイトがSNSで一時的にバズった場合や、大量の画像を使ったページが多い場合には、データ転送量が想定以上に増えることがあります。そうした場合でも、超過分の単価は$0.15/GBなので、数百円〜数千円程度の追加に収まるのが一般的です。

Proプランの基本リソース枠と中小企業の典型的な使用量を棒グラフで比較する図。使用量が枠の10%程度であることを視覚化
Proプランの基本リソース枠と中小企業の典型的な使用量を棒グラフで比較する図。使用量が枠の10%程度であることを視覚化

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従来型サーバーとのコスト比較

WordPress(レンタルサーバー)との月額比較

「結局、WordPressのレンタルサーバーとどっちが安いの?」という疑問にお答えします。

項目WordPress + レンタルサーバーNext.js + Vercel
サーバー/ホスティング約1,100円/月約3,000円/月(Vercel Pro)
CMS費用0円(WordPress自体は無料)0〜4,900円/月(microCMS)
SSL証明書無料(サーバー付属)無料(Vercel自動設定)
CDN追加契約が必要な場合も標準装備(追加費用なし)
月額合計約1,100円約3,000〜7,900円

サーバー費用だけを比較すると、WordPressの方が安いです。これは事実です。

しかし「見えないコスト」がある

費用を比較する際は、目に見える月額費用だけでなく、「見えないコスト」も考慮する必要があります。

見えないコストWordPressNext.js + Vercel
セキュリティ対策プラグインの更新、本体の更新が必要ほぼ不要
サーバー管理PHP・DBバージョンの管理が必要不要(Vercelが管理)
バックアップ自分で設定が必要GitHubに自動保存
SSL更新一部サーバーでは手動更新完全自動
障害対応サーバーダウン時の復旧作業Vercel側で自動復旧

これらの「見えないコスト」を保守費用として外注する場合、月額5,000〜15,000円程度がかかりますトータルコストで見ると、差はかなり縮まります

3年間の総コスト比較

制作費用も含めた3年間の総コストを比較すると:

項目WordPressNext.js + Vercel
初期制作費約50万円約100万円
月額費用×36ヶ月約22万〜40万円約27万〜81万円
3年間合計約72万〜90万円約127万〜181万円
ポイント

初期費用を含めると、Next.js + Vercelの方が高いのは間違いありません。ただし、表示速度やセキュリティ面で優位性があるため、コストだけでなくビジネスへの貢献度で判断することが大切です。

→ 関連記事:ホームページ制作の費用相場|損しないための完全ガイド

イメージ図(数値はサンプル) データ — WordPressサイトとNext.jsサイトの3年間コスト比較グラフ
イメージ図(数値はサンプル) データ — WordPressサイトとNext.jsサイトの3年間コスト比較グラフ

Vercelの費用を最適化する5つのポイント

ポイント1. 画像は外部サービスで最適化する

Vercelの画像最適化機能は便利ですが、大量の画像を使うサイトでは費用がかさむ可能性があります。画像はmicroCMSの画像APIを使って最適化すれば、Vercel側の画像最適化を使わずに済みます

ポイント2. ISR(増分的静的再生成)を活用する

ISR(Incremental Static Regeneration)は、ページを一定間隔で自動再生成する仕組みです。毎回ビルドし直す必要がないため、ビルド時間とサーバーレス関数の実行回数を削減できます。

ポイント3. 不要なビルドを減らす

microCMSのWebhook設定で、「公開ボタンを押した時だけ」ビルドが走るように設定しましょう。下書き保存のたびにビルドが走ると、ビルド回数が無駄に増えます。

ポイント4. 静的アセットはキャッシュを活用する

画像やCSS、JavaScriptなどの静的ファイルには、長めのキャッシュヘッダーを設定しましょう。ブラウザがキャッシュを利用することで、データ転送量を削減できます。

ポイント5. アナリティクスは外部ツールを使う

Vercelには独自のアナリティクス(Web Analytics、Speed Insights)がありますが、これらは追加費用がかかる場合があります。Google Analyticsなどの無料ツールで代替すれば、その分のコストを抑えられます。


よくある質問

途中でVercelのプランを変更できますか?

はい、いつでも変更可能です。HobbyからProへのアップグレードも、Proの解約も管理画面からすぐに行えます。

Vercel以外の選択肢はありますか?

あります。Cloudflare PagesAWS Amplifyなども選択肢です。ただし、Next.jsの全機能を最も安定して使えるのはVercelです。特にApp Routerやサーバーコンポーネントの対応状況は、Vercelが最も進んでいます。

ホスティング月額Next.js対応度向いているケース
Vercel Pro$20(約3,000円)完全対応ほとんどのNext.jsサイト
Cloudflare Pages無料〜$20一部制限あり静的サイトメイン
AWS Amplify従量課金一部制限ありAWS環境で統一したい場合
ドメインの費用は別ですか?

はい、独自ドメインの費用は別途かかります。年間1,000〜3,000円程度です。ドメインの取得はVercel以外のサービス(ドメイン取得サービスなど)でも問題ありません。

複数のサイトを1つのProプランで運用できますか?

はい、Proプラン1契約で最大100プロジェクトまで作成できます。複数のクライアントサイトを運用する場合も、1つのProプランで対応可能です。

イメージ図(実画面ではありません) スクリーンショット — Vercelの管理画面でプロジェクト一覧を表示した画面
イメージ図(実画面ではありません) スクリーンショット — Vercelの管理画面でプロジェクト一覧を表示した画面

まとめ|中小企業のVercel費用は月額3,000円が基本

この記事のポイント

  • Vercel Proプランは月額$20(約3,000円)で、中小企業サイトには十分なリソース
  • Hobbyプラン(無料)は個人利用向け。商用サイトはProプラン一択
  • 中小企業のサイト規模では、従量課金が発生することはほぼない
  • WordPressのレンタルサーバーより月額は高いが、管理コストの削減を考えるとトータルでは差が縮まる
  • 画像最適化やビルド管理の工夫で、さらにコスト最適化が可能

費用で迷ったら

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→ 関連記事:WordPress vs Next.js|企業サイトにはどちらが最適?

→ 関連記事:Next.js + microCMSで企業サイトを構築する方法


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