整骨院・接骨院のホームページのご相談では、「デザインをきれいにしたい」というご要望をいただくことが多くあります。ただ、実際に予約数を左右しているのはデザインの良し悪しよりも、患者さんが知りたい順番どおりに情報が並んでいるかです。
来院を検討している人は、写真を見て決めているのではありません。「自分の症状は診てもらえるのか」「保険は使えるのか」「今日の何時に空いているのか」を順に確認し、1つでも答えが見つからなければ次の院を見に行きます。
整骨院・接骨院のホームページで最優先すべきは、症状・料金・予約手段の3つに即答することです。特に「保険が使える範囲」を明示しているサイトは多くありません。ここを正確に書くだけで、来院前の問い合わせが減り、来てから話が違うという行き違いも減ります。デザインの検討はその後で構いません。
この記事では、整骨院・接骨院のホームページに必要なページ構成、予約につながる導線、広告表現で注意すべき点、そして費用の目安までを解説します。
患者さんは「症状 × 地域」で探している
来院前の検索は、院名ではなく症状で始まります。
| 検索のされ方 | 例 | 探している人の状態 |
|---|---|---|
| 症状+地域 | 「腰痛 ◯◯市」「寝違え 近く」 | まだ院を決めていない。最も人数が多い |
| 症状+疑問 | 「ぎっくり腰 整骨院 保険」 | 行くかどうかを判断中 |
| 院名 | 「◯◯整骨院」 | すでに知っていて、場所や営業時間を確認したい |
ここで重要なのは、症状で探している段階の人は、まだあなたの院を知らないということです。この層に届くには、症状ごとの説明が独立したページとして存在している必要があります。1ページに「腰痛・肩こり・交通事故対応」と並べて書いてあるだけでは、どの症状の検索にも中途半端にしか反応しません。
すべての症状ページを一度に作る必要はありません。来院数の多い症状から3〜5個を選び、それぞれを独立したページにするところから始めてください。

必要なページ構成
整骨院・接骨院のサイトで実際に見られているページは、多くありません。優先順に並べると次のようになります。
- 症状別ページ(来院数の多い症状ごとに1ページ)
- 料金・保険適用の範囲
- 施術の流れ(初回の所要時間・服装・持ち物)
- 営業時間と休診日、アクセス(地図・駐車場の有無)
- 予約方法(電話・LINE・予約フォームのいずれか)
- 院とスタッフの紹介(資格の記載を含む)
このうち「施術の流れ」と「初回の所要時間」は、書かれていないサイトが非常に多い項目です。初めて行く場所に対する心理的な抵抗の大半は、「何をされるか分からない」「どのくらい時間がかかるか分からない」から生まれます。ここを埋めるだけで予約率は変わります。
料金は「保険が使える場合と使えない場合」を分けて書く
整骨院・接骨院で健康保険の対象になるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といった外傷性のけがに限られます(骨折・脱臼は、応急手当の場合を除いて医師の同意が必要です)。日常的な肩こりや疲労回復を目的とした施術は保険の対象外で、自費になります。
この線引きは制度として決まっているものですが、患者さん側はほとんど知りません。そのため、料金ページで次のように分けて書くことをおすすめしています。
| 区分 | 内容 | 料金の書き方 |
|---|---|---|
| 保険適用 | 外傷性のけがに対する施術 | 負担割合により変動する旨を明記 |
| 自費 | 保険の対象外となる施術 | 具体的な金額を明示 |
「保険が使えるかどうかは症状によって決まる」ことを先に伝えると、受付での説明と食い違いません。
整骨院・接骨院の広告については、法律で表示できる事項が定められています。ホームページの扱いについては行政の検討が続いている領域であり、解釈が変わりうるものです。「必ず治る」「どんな症状にも効く」といった効果を断定する表現や、他院との比較優位を示す表現は避け、判断に迷う場合は管轄の保健所や所属団体に確認してください。医療機関のウェブサイトについては既に広告規制の対象となっており、同等の慎重さで書いておくほうが安全です。
予約につながる導線の作り方
情報が揃っていても、予約手段が分かりにくいと離脱します。整骨院・接骨院の場合、次の3点が特に効きます。
画面の下部に固定した電話ボタン・予約ボタンを設置します。ページを読み進めた「行こうかな」と思った瞬間に、探さずに押せる状態を作ることが目的です。
年齢層によって使う手段が分かれます。電話が主流の層は一定数残る一方、営業時間外に予約したい層はオンラインを求めます。どちらか片方だけにすると、その分だけ取りこぼします。
当日・翌日に行きたい人が多いのが施術院の特徴です。予約システムで空き状況を出すのが理想ですが、難しければ「当日予約は電話でお問い合わせください」と明記するだけでも効果があります。
予約フォームは項目を増やしすぎないでください。氏名・連絡先・希望日時で足ります。

Googleマップとホームページは役割が違う
「Googleマップに登録しているから、ホームページは要らないのでは」というご質問をよくいただきます。実際には、この2つは役割が異なり、両方あって初めて機能します。
| Googleマップ(ビジネスプロフィール) | ホームページ | |
|---|---|---|
| 強い場面 | 「近くの整骨院」で探されたとき | 症状で検索されたとき |
| 伝えられる情報量 | 営業時間・場所・口コミなど限定的 | 症状の説明・料金・施術の流れなど自由 |
| 情報の主導権 | 口コミなど自分で制御できない要素がある | すべて自社で決められる |

地図から流入した人が最後に確認しに来るのがホームページです。逆に、ホームページを持たない状態では、口コミの評価だけで判断されます。地域検索での見え方についてはMEO対策とはとローカルSEOの基本で詳しく解説しています。
費用の目安
整骨院・接骨院のホームページ制作は、ページ数と機能で費用が変わります。以下は当社での一般的な目安です。
| 構成 | ページ数 | 目安 |
|---|---|---|
| 基本構成(症状3ページ+料金・アクセス・予約) | 6〜8ページ | 20万〜40万円 |
| 症状ページを増やし、更新をご自身で行える形にする | 10〜15ページ | 40万〜70万円 |
| 予約システム・LINE連携を含む | 要件により変動 | 60万円〜 |
ホームページ制作費用の全体像はホームページ制作の費用相場で解説しています。なお、小規模事業者向けの補助金を制作費に充てられる場合があります。募集回によって要件が変わるため、ホームページ制作の補助金・助成金で最新の考え方をご確認ください。
最初から全症状のページを作る必要はありません。基本構成で公開し、来院数の多い症状から順にページを足していく進め方であれば、初期費用を抑えつつ、反応を見ながら育てられます。この場合、後からご自身で追加できる作りにしておくことが前提になります。
よくある質問
- 整体院ですが、この記事の内容は当てはまりますか?
-
ページ構成と予約導線の考え方は同じです。ただし料金の扱いが異なります。整体は健康保険の対象外のため、料金は自費として明示することになります。また、施術内容の表現についても、資格の有無に応じた注意が必要です。
- ホームページとチラシ、どちらを先にやるべきですか?
-
目的が違うため単純比較はできませんが、症状で探している人に届くのはホームページだけです。チラシは地域への認知には有効ですが、「腰痛 ◯◯市」で検索している人には届きません。すでにチラシで一定の来院がある場合、ホームページは「チラシを見た人が確認しに来る場所」としても機能します。
- 症状ページは何文字くらい書けばいいですか?
-
文字数そのものに基準はありません。判断の目安は「その症状で来た患者さんに、初診時に説明していること」がひととおり書かれているかどうかです。実際に説明している内容を文章にすると、多くの場合1,500〜2,500字程度になります。
- 写真は撮影を依頼したほうがいいですか?
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院内・スタッフ・施術の様子の写真は、あるほうが予約率に影響します。ただし優先順位としては、症状・料金・予約導線の整備が先です。写真は後から差し替えられますが、構成は後から変えるほうが手間がかかります。
- 交通事故対応をアピールしたいのですが、専用ページは必要ですか?
-
交通事故の対応は、通常の来院とは検索のされ方も知りたいことも異なります(自賠責保険の扱い、他院からの転院、必要な手続きなど)。取り扱いがあるなら独立したページを作る価値があります。ただし表現は、他の症状ページ以上に慎重にしてください。
- 更新は自分でできるようにしたほうがいいですか?
-
休診のお知らせや料金改定は必ず発生するため、少なくともお知らせと料金は自分で更新できる形をおすすめします。どこまで自分で編集できるようにするかは、制作前に依頼先と具体的に決めておくべき項目です。
まとめ
整骨院・接骨院のホームページは、デザインではなく情報の順番で成果が変わります。
- 患者さんは症状で探している。症状ごとに独立したページを作る
- 保険が使える範囲を明示する。ここを書いているサイトは少ない
- 施術の流れと初回の所要時間を書く。心理的な抵抗はここで下がる
- 予約手段は電話とオンラインの両方を、常に見える位置に置く
- 効果を断定する表現は使わず、判断に迷う場合は保健所や所属団体に確認する
医療機関全般のホームページの考え方はクリニック・医院のホームページ制作ガイドでも解説しています。あわせてご覧ください。
現在のサイトがある場合は、URLをお知らせいただければ、上記の観点で不足している箇所を整理してお伝えします。作り直しが必要かどうかの判断からご相談いただけます。
