「HPがない会社」は信頼できない?調査データで検証

「HPがない会社は信頼できない?調査データで検証」の記事アイキャッチ画像。スマートフォンでホームページを確認するビジネスマンが疑問を感じている様子。

「取引先を調べようとしたら、ホームページが見つからなかった」

「求人に応募しようとしたけど、会社のHPがなくて不安になった」

こうした経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

では、「HPがない会社=信頼できない」は事実なのか? 感覚的にはそう思いつつも、実際のデータで検証した情報はほとんどありません。

この記事では、複数の調査データをもとに、HPの有無が企業の信頼性にどう影響するのかを客観的に検証します。「うちの会社にHPは本当に必要なのか?」と迷っている経営者の方に、判断材料をお届けします。

ホームページの有無で変わる信頼度と取引機会の比較インフォグラフィック。HPあり:経営者の79.8%が信頼、BtoB発注の75.8%が参考、求職者の84.8%が企業研究に活用。HPなし・放置サイト:約30%が発注取りやめ、49.8%が「営業しているか不安」と回答。中小企業のHP未開設率は約51.5%。
HPあり/なしで変わる信頼度と取引機会の比較。経営者・取引先・求職者の3視点で明確な差が出る(出典:PR TIMES/プラスト 他、本文末尾の出典一覧参照)。

目次

「HPがない会社は怪しい」は本当か?──データで見る

HPがある会社の方が信頼できると回答した経営者79.8%を表現したインフォグラフィック。中央に企業の公式サイトを置き、その周りに信頼を示す多数の人物アイコン、右側にHPのない会社に対して疑問を抱く少数の人物アイコンを配置している。

経営者の79.8%が「HPがある会社の方が信頼度が高い」と回答

従業員50人未満の中小企業経営者1,127人を対象にした調査で、こんなデータが出ています。

「HPがある会社の方が信頼度が高いと思うか?」という質問に対し、79.8%が「はい」と回答しました。

つまり、経営者自身も「HPがある会社の方が信頼できる」と感じているのです。これは「なんとなく」ではなく、ほぼ8割という明確な多数意見です。

お客様や取引先から見ても同様でしょう。会社名で検索して公式サイトが出てこなければ、「この会社、大丈夫かな?」と思われるのは自然なことです。

更新されていないHPも逆効果──約50%が「営業しているか不安」

ただし、HPがあれば何でもいいわけではありません

同じ調査で、「更新されていないHP」についても質問しています。

更新されていないHPの印象回答割合
営業しているか不安になる49.8%
載っている情報が正しいか不安35.3%
迅速な対応ができないように見える33.4%
取引や付き合いをしようと思わない32.6%

約半数が「営業しているか不安になる」、約3分の1が「取引しようと思わない」と回答しています。

正直に言うと、放置されたHPは「ない」よりも印象が悪い場合があります。「HPがあるのに情報が古い」は、「この会社は仕事にも手を抜いているのでは?」という連想を生むからです。


中小企業のHP開設率は「93%」ではない

大企業のHP開設率93.2%と中小企業の約48.5%を対比したインフォグラフィック。左側に高層ビルと長い青色のバー、右側に小さな店舗と半分程度のオレンジ色のバーで、企業規模によるホームページ開設率のギャップを表現している。

総務省の93.2%は従業員100人以上が対象

「企業のHP開設率は93%以上」──このデータを見たことがある方もいるかもしれません。

総務省の「令和6年通信利用動向調査」によると、企業のHP開設率は93.2%です。

しかし、この調査には大きな前提条件があります。対象が「従業員100人以上の企業」に偏っているのです。日本の企業の99%以上は中小企業であり、この数字は中小・小規模事業者の実態を反映していません。

中小企業の実態は約48.5%──半数はまだHPを持っていない

では、中小企業の実態はどうでしょうか。

中小企業6,744社を対象にした調査(約半数が従業員5名以下)では、HP導入済みの企業は約48.5%でした。

つまり、中小・小規模事業者の約半数はまだHPを持っていないのが現実です。総務省の93%とは約45ポイントもの乖離があります。

「うちの規模でHPは必要ないだろう」と思っている経営者の方は、決して少数派ではありません。

業種によるHP開設率の差

同調査では、業種によって開設率に大きな差があることも分かっています。

業種HP開設率
情報・通信76%
教育・学習サービス72%
飲食・宿泊、医療、介護・福祉60%超
建設、卸売、不動産20〜30%台

建設業や卸売業ではHP開設率が20〜30%台と低く、「HPがないのが普通」という業界もあります。しかし、裏を返せばHPを持つだけで同業他社と差別化できるとも言えます。


HPがないことで失っているもの──3つの機会損失

HPがなくても今まで仕事が回っている──そう感じている方もいるかもしれません。しかし、データを見ると「気づかないうちに逃している機会」が見えてきます。

取引先の開拓: BtoB経営者の約30%がHP原因で発注を取りやめた経験あり

中小企業の経営者・役員103名を対象にした調査では、以下の結果が出ています。

  • 発注時にコーポレートサイトを参考にする: 75.8%
  • HPが原因で発注を取りやめた経験がある: 約30%

取りやめの理由は「情報が更新されていない」「デザインが古い」「必要な情報が見つからない」「会社の魅力が伝わらない」などです。

つまり、BtoB取引では4社中3社があなたのHPを見ているのです。HPがなければ、検討のテーブルにすら載らない可能性があります。

HPがないことで失う3つの機会を示したインフォグラフィック。左から取引(握手アイコンに下向き矢印)、集客(店舗から離れていく顧客)、採用(ビルから去る求職者)の機会損失をそれぞれアイコンで表現している。

新規顧客の獲得: 購入前情報源の第1位は「公式サイト」

BtoB購買意思決定者218名を対象にした調査によると、サービス購入時の情報源は以下の通りです。

順位情報源割合
1位公式サイト49.5%
2位SNS20.6%

公式サイトがSNSの2倍以上の割合で利用されています。

さらに、消費者調査では、Webサイトが期待に応えない場合、62.6%の消費者が商品購入や情報収集を中断するというデータもあります。

HPがないということは、最も信頼される情報源が存在しない状態です。

人材の採用: 求職者の84.8%がHPで企業研究を行う

HPの有無は、採用にも大きく影響します。

20〜39歳の就職・転職活動者540名を対象にした調査では、以下の結果が出ています。

  • 企業HPで情報収集・企業研究を行う: 84.8%
  • 採用サイトのある企業をポジティブに感じる: 62.4%
  • 採用サイトを見て応募意欲が高まった: 40%

また、転職活動者を対象にした別の調査では、88.7%が企業HPを確認すると回答しています。

HPがない会社に応募するのは、求職者にとって「不安」です。特に若い世代ほど、企業情報をWebで確認する習慣が定着しています。「採用しても人が来ない」という悩みの原因の一つが、HPの不在にあるかもしれません。


HPの必要性について、まずは気軽に相談してみませんか?


HPがなくても信頼を構築できるケースはあるか?

ここまでデータを見てくると、「やっぱりHPは必須か」と思われるかもしれません。しかし、正直にお伝えすると、HPがなくてもビジネスが成り立つケースは存在します

Googleビジネスプロフィール・口コミの信頼度データ

Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)は、特に地域密着型のビジネスにとって強力な集客ツールです。

飲食店や美容室、クリニックなど、来店型ビジネスの場合、Googleビジネスプロフィールの充実だけでも一定の集客は可能です。

SNSだけで十分なケースと限界

SNSだけで集客しているビジネスもありますが、限界があります。

企業のSNS運用に関する調査によると、企業全体の54.8%がSNSを運用していない状態です。運用している企業でも約3割が「効果は得られなかった」と回答しています。

SNSは「認知を広げる」には向いていますが、情報の蓄積性が低い(過去の投稿が埋もれる)、検索で見つけてもらいにくい(Google検索に引っかかりにくい)という弱点があります。

「この会社について詳しく知りたい」と思ったとき、SNSだけでは会社概要、サービス内容、所在地、問い合わせ先などの基本情報にたどり着きにくい。HPはそうした「信頼の受け皿」として機能するのです。

正直に言うと──HPが不要な会社の条件

制作者としての本音を言うと、以下のすべてに当てはまる場合は、HPがなくてもビジネスに大きな支障はないかもしれません。

  • 新規顧客の開拓が不要(既存顧客だけで十分)
  • 採用活動をしていない(人材を募集する予定がない)
  • BtoB取引の新規開拓をしない(紹介や既存ルートのみ)
  • 地域密着型で、Googleビジネスプロフィールと口コミで十分集客できている

ただし、この条件にすべて当てはまる会社はかなり少ないのが現実です。事業を拡大したい、新しい人材を採用したい、新規の取引先を開拓したい──こうした意向が少しでもあるなら、HPは「投資」として検討する価値があります。


「作るだけ」では逆効果──放置HPのリスク

ここまでの内容で「HPを作ろう」と思った方に、もう一つ大切なことをお伝えします。

情報未更新のHPは「ない」より印象が悪いケースも

冒頭のデータで触れた通り、更新されていないHPに対して約50%の経営者が「営業しているか不安になる」32.6%が「取引しようと思わない」と回答しています。

HPを作ったことで安心してしまい、そのまま何年も放置する──実はこれが最も危険なパターンです。放置されたHPは「存在しない」のと同じか、それ以上にネガティブな印象を与えます。

最低限やるべき3つのこと

HPを持つなら、最低限以下の3点は維持してください。

① SSL対応(https化)

SSL未対応のサイトは、ブラウザに「保護されていない通信」と表示されます。これだけでお客様は「このサイト、大丈夫?」と感じてしまいます。現在はほとんどのレンタルサーバーで無料SSLが利用できるため、追加費用はかかりません。

② 情報の定期更新

最低でも3〜6ヶ月に1回は、お知らせやブログの更新を行いましょう。「最終更新日」が古いHPは、「この会社はもう活動していないのでは」と思われるリスクがあります。年末年始の営業案内を更新するだけでも構いません。

③ 問い合わせ導線の確保

電話番号、メールアドレス、お問い合わせフォーム──いずれかがすぐに見つかるようにしておくことは最低限のマナーです。せっかくHPに訪れたお客様が「連絡先がわからない」と離脱するのは、大きな機会損失です。


まとめ

検証ポイントデータの結論
HPがない会社は信頼できない?経営者の79.8%が「HPがある方が信頼度が高い」と回答
中小企業のHP開設率は?大企業93.2% vs 中小企業約48.5%(半数はまだ未開設)
BtoB取引への影響75.8%がHPを参考にし、約30%がHP原因で発注を取りやめ
採用への影響求職者の84.8%がHPで企業研究を行う
HPがなくてもいいケース新規開拓・採用が不要で、既存顧客だけで完結するビジネス
放置HPのリスク約50%が「営業しているか不安」、32.6%が「取引しようと思わない」

「HPがない会社は信頼できない」──これは感覚論ではなく、データが裏付けている事実です。

ただし、HPは「作ればいい」というものではありません。放置されたHPは逆効果です。最低限の更新・SSL対応・問い合わせ導線の3つを維持できる体制を整えた上で、HPを持つことをおすすめします。

中小企業のHP開設率がまだ約48.5%という今、HPを持つこと自体が差別化になります。同業他社がHPを持っていない業種なら、なおさらチャンスです。

出典・参考データ一覧

本記事内で引用した調査データの出典は以下の通りです。

スクロールできます
#調査内容出典媒体調査実施機関調査時期サンプル数・対象
1HPがある会社の信頼度に関する経営者調査PR TIMES株式会社プラスト(モニター: ゼネラルリサーチ)2020年9月n=1,127/従業員50人未満の中小企業経営者
2令和6年通信利用動向調査総務省 情報流通行政局総務省2024年8月時点(2025年5月公表)企業調査 n=6,040/常用雇用100人以上の企業
3中小企業のHP開設率に関する調査Wepage(ホームページ作成大学)Wepage運営事務局2023年7月n=6,744/中小企業経営者(約半数は従業員5名以下)
4中小企業のBtoB発注時HP参考度調査未知株式会社未知株式会社2022年1月n=103/従業員30〜100名の中小企業経営者・役員
5BtoB購買意思決定者の情報源調査PR TIMESサイトエンジン株式会社(Fastask利用)2022年12月n=218/BtoB商品・サービスの購買意思決定に関与する企業担当者
6Webサイト体験と離脱に関する消費者調査MarkeZineアドビ システムズ(日経BPコンサルティング委託)2014年10月n=1,000/20代以下〜50歳以上の男女消費者
7就職・転職活動者の企業HP活用調査株式会社ONE プレスリリース株式会社ONE(調査: GMOリサーチ)2021年6月n=540/20〜39歳の就職・転職活動者
8Googleマップ利用率調査WEB集客ラボ byGMOGMO TECH2021年8月公開n=1,000/20〜60代の男女
9Googleマップ経由の来店行動調査ALBA(記事化)株式会社トライハッチ2024年5月n=1,090/過去3ヶ月以内にGoogleマップで店舗検索したユーザー
10口コミ媒体の信頼度調査PR TIMES株式会社Giv-ning2022年11月n=310/月1回以上外食する全国20〜60代の女性
11企業のSNS運用に関する調査東京商工リサーチ(TSRデータインサイト)東京商工リサーチ2023年8月n=4,947/全国の企業

※ #6 は2014年実施の調査のため、現在の消費者行動とは乖離している可能性があります。本文中にも補足を追加しています。


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