「前に作ったホームページ、結局まったく役に立たなかった…」
リニューアルのご相談をいただく際、こうおっしゃるお客様が本当に多いです。
正直に言うと、ホームページ制作の失敗は「知っていれば防げたもの」がほとんどです。しかし、初めて制作を依頼する方にとっては、何が失敗につながるのかわからないのが当然です。
私はWeb制作エンジニアとして、WordPress(Swell)やNext.jsで多くのサイトを制作してきました。その中で、他社で制作したサイトのリニューアル案件も数多く手がけています。
この記事では、実際によくある失敗事例を5つ厳選し、それぞれの防ぎ方をお伝えします。これからホームページを作る方は、ぜひ「転ばぬ先の杖」として読んでください。
失敗事例①:「安さ」で選んで品質が低かった
こんなケースが多い
「5万円でホームページが作れます」「格安制作!」
こういった広告を見て依頼したものの、出来上がったサイトが期待とかけ離れていたというケースです。
制作者の本音をお伝えすると、5万円〜10万円で「ちゃんとした」企業サイトを作るのは、現実的にはかなり厳しいです。その価格帯で提供できるのは、テンプレートに文章と画像を流し込んだだけのサイトがほとんどです。
具体的にどんな問題が起きるか
- デザインがテンプレート感丸出しで、同業他社と似たようなサイトになる
- スマートフォンでの表示が崩れている
- 表示速度が極端に遅い
- SEO(検索エンジン対策)がまったく考慮されていない
- 納品後に連絡が取れなくなる

防ぎ方:価格だけでなく「何が含まれるか」を確認する
安いこと自体は悪いことではありません。問題は、安さの理由を理解せずに依頼してしまうことです。
以下のチェックポイントを確認しましょう。
| チェック項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 制作費に含まれる作業範囲 | デザイン、コーディング、スマホ対応、SEO基本設定は含まれるか? |
| 修正回数 | 何回まで修正可能か?追加修正は有料か? |
| 納品後のサポート | 公開後の修正・相談は対応してもらえるか? |
| 制作実績 | 過去に作ったサイトを見せてもらえるか? |
「安物買いの銭失い」にならないために、見積もりの内訳を必ず確認してください。
ホームページ制作の費用相場について詳しく知りたい方は、ホームページ制作の費用相場をご覧ください。
失敗事例②:デザインにこだわりすぎて集客できない
「かっこいいサイト」と「成果が出るサイト」は違う
「とにかくおしゃれなサイトにしてほしい」
こうおっしゃる方は少なくありません。その気持ちはよくわかります。しかし、正直に言うと、デザインの良さと集客力は比例しません。
アニメーションが凝りすぎて表示が遅い。英語ばかりでサービス内容が伝わらない。メニューの場所がわかりにくい。──「かっこいいけど使いにくいサイト」は、お客様にとってストレスでしかありません。
具体的にどんな問題が起きるか
- トップページの動画やアニメーションが重くて表示に5秒以上かかる
- 英語のナビゲーション(「About」「Service」「Contact」)で日本語話者が迷う
- スクロールしないとメニューが出てこない
- お問い合わせボタンが目立たない
- キャッチコピーが抽象的で何の会社かわからない

防ぎ方:「誰のためのサイトか」を常に意識する
ホームページのデザインは、サイトを見るお客様のために存在するものです。経営者ご自身の好みではなく、ターゲット層が使いやすいかどうかで判断しましょう。
- ナビゲーションは日本語で、わかりやすい位置に配置する
- 表示速度は3秒以内を目標にする(ある調査では、3秒以上かかると53%の訪問者が離脱)
- お問い合わせボタンは常に目に入る場所に置く
- キャッチコピーは「何をしてくれる会社か」が伝わるものにする
デザインは「目的(集客・問い合わせ獲得)を達成するための手段」です。手段が目的にならないように注意しましょう。
失敗事例③:自分で更新できない仕様になっていた
制作会社に頼まないと何も変えられない
「お知らせを追加したいだけなのに、毎回制作会社に依頼しないといけない」
「1行の文字修正で5,000円請求された」
こうした不満は、非常によく聞きます。
これは、サイトがHTMLの手打ちで作られていたり、CMS(コンテンツ管理システム)が導入されていないケースで起こります。CMSとは、専門知識がなくてもサイトの内容を更新できる仕組みのことです。代表的なCMSがWordPress(ワードプレス)です。
具体的にどんな問題が起きるか
- お知らせやブログの更新に毎回費用がかかる
- 修正依頼してから反映まで数日〜数週間かかる
- 情報が古いまま放置され、サイトが「死んでいる」状態になる
- 写真や文章の差し替えすら自分ではできない
- 年間の更新費用だけで数十万円になることも

防ぎ方:WordPress等のCMSで構築してもらう
制作を依頼する際は、「公開後に自分で更新できるか?」を必ず確認してください。
私がおすすめするのは、WordPressでの構築です。WordPressは世界中で最も利用されているCMSで、ブログの投稿やページの編集をブラウザ上で簡単に行えます。
特に、SWELLというWordPressテーマを使えば、ブロックエディター(積み木のようにパーツを組み合わせる編集方式)で直感的に操作できるため、パソコンが苦手な方でも安心です。
制作時に確認すべきポイント:
- CMSは導入されるか?
- 操作マニュアルは提供されるか?
- 納品時に操作説明はしてもらえるか?
- 更新方法のレクチャーは含まれるか?
失敗事例④:サーバーやドメインの名義が制作会社のまま
気づかないうちに「人質」にされている
これは、業界の闇とも言える問題です。
サーバー(ホームページのデータを保管する場所)やドメイン(example.comのようなアドレス)の契約名義が制作会社になっているケースがあります。
この場合、制作会社との関係が悪化した際や他社に乗り換えたい場合に、ホームページのデータを移行できない、最悪の場合サイトが消えてしまうという事態になります。
具体的にどんな問題が起きるか
- 制作会社を変更しようとしたら「サーバーはうちの名義なので移行できません」と言われた
- ドメインの移管に高額な費用を請求された
- 制作会社が倒産して、サイトごと消えてしまった
- 毎月の管理費(サーバー代の中間マージン込み)を相場の2〜3倍払っていた
防ぎ方:サーバー・ドメインは自社名義で契約する
サーバーとドメインは、必ずお客様自身の名義で契約してください。これは絶対に守るべきルールです。
| 項目 | 推奨 | 避けるべき |
|---|---|---|
| サーバー契約 | 自社名義で契約 | 制作会社名義 |
| ドメイン契約 | 自社名義で契約 | 制作会社名義 |
| 管理者アカウント | 自社が最上位権限を持つ | 制作会社のみが管理者 |
| FTP/SSH情報 | 自社が把握している | 制作会社のみが知っている |
「サーバーの契約がよくわからない」という方には、契約手順をサポートしてもらえる制作者に依頼するのがおすすめです。名義はあなたの会社のまま、設定だけ代行してもらう形です。
失敗事例⑤:公開後に放置して「化石サイト」になった
作って終わりではない
「ホームページは作ったら勝手にお客さんが来る」
──残念ながら、これは完全な誤解です。
正直に言うと、ホームページは「作ってからが本番」です。公開しただけで何もしなければ、Googleの検索結果に表示されることすら難しく、時間が経つにつれて情報が古くなり、信頼性も下がっていきます。
具体的にどんな問題が起きるか
- 「お知らせ」の最新記事が3年前のまま → 「この会社、まだやってるの?」と思われる
- 掲載している料金やサービス内容が現在と異なる → トラブルの原因に
- Googleの検索結果にまったく表示されない
- スマートフォン対応していない古いデザインのまま
- SSL(https)が未設定で「保護されていない通信」と表示される

防ぎ方:公開後の運用計画をあらかじめ立てる
サイトの公開前に、以下の運用計画を立てておきましょう。
最低限やるべきこと(月1回程度)
- お知らせやブログの更新(月1〜2記事でもOK)
- 掲載情報に古い内容がないか確認
- お問い合わせフォームの動作確認
- WordPressとプラグインのアップデート
できればやりたいこと(月1回〜四半期に1回)
- Googleアナリティクス(GA4)でアクセス状況を確認
- 検索キーワードの確認(Search Console)
- 人気ページ・離脱ページの分析
- 必要に応じてコンテンツの追加・改善
制作会社やフリーランスに月額の保守・運用サポートを依頼するのも有効です。月額5,000〜30,000円程度で、更新代行やセキュリティ対策を任せることができます。
ホームページ公開後の具体的なステップについては、ホームページ制作後にやるべきこと|公開直後の10ステップもあわせてご覧ください。
失敗しないための制作依頼チェックリスト
ここまで5つの失敗事例を見てきました。最後に、制作依頼時に確認すべきチェックリストをまとめます。
契約前に確認すべき10項目
- 見積もりの内訳は明確か?
- 修正回数の上限は確認したか?
- スマートフォン対応は含まれるか?
- CMSは導入されるか?自分で更新できるか?
- 操作マニュアル・レクチャーは含まれるか?
- サーバー・ドメインの名義は自社か?
- 管理者権限は自社が持てるか?
- 公開後のサポート内容と費用は明確か?
- 過去の制作実績を確認したか?
- 契約書は取り交わすか?

1つでも「いいえ」があったら要注意
上記のチェックリストで「いいえ」が1つでもあれば、契約前にしっかり確認・交渉することをおすすめします。
特に「サーバー・ドメインの名義」と「CMSの導入」は、後からの変更が非常に大変です。最初の段階で確実に押さえておきましょう。
見積書の読み方について詳しく知りたい方は、ホームページ制作の見積書の見方が参考になります。
まとめ:失敗の多くは「知っていれば防げる」
ホームページ制作の失敗は、技術的な問題ではなく、知識不足から生まれるものがほとんどです。
今回ご紹介した5つの失敗事例をまとめます。
| 失敗事例 | 防ぎ方の核心 |
|---|---|
| ①安さで選んで品質低い | 内訳を確認。安さの理由を理解する |
| ②デザインだけで集客できない | 「お客様が使いやすいか」で判断する |
| ③更新できない仕様 | CMS(WordPress)導入を必須条件にする |
| ④サーバー名義問題 | 自社名義で契約する |
| ⑤公開後放置 | 運用計画を事前に立てる |
これから制作を依頼する方は、この記事のチェックリストをぜひご活用ください。
「どこに頼めばいいかわからない」「過去の失敗を踏まえてリニューアルしたい」という方は、お気軽にご相談ください。現状のサイトの課題を無料で診断し、最適なご提案をいたします。
