「ホームページを作りたいけど、制作会社は高そう……。フリーランスに頼むのってどうなんだろう?」
こうした相談を、私もよくいただきます。結論から言うと、中小企業のWordPressサイトはフリーランスへの依頼と相性が良いです。ただし、選び方と依頼の仕方を間違えると、思わぬトラブルにつながるケースもあります。
この記事では、フリーランスとしてWordPress制作を行っている私が、メリット・デメリットから費用相場、失敗しない選び方まで本音で解説します。
フリーランスと制作会社、何が違うのか

「フリーランスと制作会社、どっちに頼めばいいの?」と悩む方は多いです。まずは両者の違いを整理しましょう。
組織の規模と対応範囲の違い
制作会社は、ディレクター・デザイナー・エンジニアなど複数のスタッフがチームで動くのが一般的です。大規模なサイトや、ブランディングから写真撮影、コピーライティングまでワンストップで任せたい場合に向いています。
一方、フリーランスは1人(または少数のパートナー)で制作を担当します。対応範囲は個人によって異なりますが、中小企業のコーポレートサイト(5〜15ページ程度)であれば、設計からデザイン、コーディング、公開まで1人で完結できるケースがほとんどです。
費用の差が生まれる構造的な理由
両者の費用差は「中間マージンの有無」で説明できます。
制作会社に依頼した場合、実際に手を動かすのは社内のエンジニアやデザイナーですが、その前にディレクター、営業担当、場合によっては外注先のフリーランスが関わります。人が増えるほどコストが上がるのは当然です。
フリーランスに依頼する場合、打ち合わせから制作、納品まで同じ人間が担当します。中間マージンがない分、制作会社の2分の1〜5分の1程度の費用で依頼できることも珍しくありません。
| 依頼内容 | フリーランス | 制作会社 |
|---|---|---|
| 簡易サイト(5ページ程度) | 5万〜15万円 | 30万〜50万円 |
| コーポレートサイト(10〜15ページ) | 30万〜50万円 | 50万〜150万円 |
| EC・カスタム機能付きサイト | 50万〜100万円 | 100万〜500万円 |
※ 上記はWordPress制作の一般的な相場です。デザインの作り込み度合いや機能要件によって変動します。
フリーランスにWordPress制作を依頼する5つのメリット
① 費用を抑えやすい
先ほどの表の通り、フリーランスへの依頼は制作会社と比べて大幅にコストを抑えられるのが最大のメリットです。
中小企業の場合、「まずはしっかりしたコーポレートサイトを作りたい」というニーズが多いと思います。10〜15ページ程度のサイトであれば、30万〜50万円が一つの目安です。制作会社に同じ内容を依頼すると、50万〜150万円かかるケースも珍しくありません。
② 制作者と直接やりとりできる
フリーランスへの依頼では、実際にサイトを作る人と直接コミュニケーションが取れます。
制作会社の場合、お客様の窓口はディレクターや営業担当で、デザイナーやエンジニアとは直接話せないことが多いです。伝言ゲームのようにニュアンスがずれてしまい、「イメージと違うものが出来上がった」というトラブルは、業界ではよくある話です。
フリーランスなら「ここをもう少しこうしたい」という要望を、作り手に直接伝えられます。
③ 小回りが利く対応スピード
「ちょっとした修正をすぐ対応してほしい」──こうした要望に柔軟に応えられるのもフリーランスの強みです。
制作会社では、修正依頼ひとつにも社内の承認フローや担当者のスケジュール調整が必要になることがあります。フリーランスなら、チャットで連絡して当日〜翌日に対応、ということも珍しくありません。
④ 得意分野に特化した専門性
フリーランスには、特定の分野に強みを持つ人が多いです。
たとえば「WordPressのコーポレートサイト専門」「ECサイト構築が得意」「SEOに強い制作者」など、自分のビジネスに合ったスキルセットを持つ人を選べます。
制作会社はオールラウンドに対応できる反面、「WordPress制作は外注のフリーランスに丸投げしている」というケースも正直あります。それなら最初から、WordPress制作を専門にしているフリーランスに直接依頼した方が、費用も品質も良い結果になることがあります。
⑤ 長期的な「かかりつけ」関係を築きやすい
ホームページは作って終わりではありません。公開後の更新、修正、改善が必要です。
フリーランスは担当者が変わらないので、サイトの経緯を熟知した状態でずっとサポートしてもらえます。制作会社だと、担当ディレクターが異動や退職で変わってしまうこともあります。
ホームページの運用段階では「いつでも気軽に相談できる制作者がいるかどうか」が、成果を大きく左右します。
正直に伝えたいデメリットと対処法

メリットだけを並べるのはフェアではありません。フリーランスとして活動している立場だからこそ、正直にデメリットもお伝えします。
対応範囲に限界がある
フリーランスは基本的に1人で作業します。そのため、プロのカメラマンによる撮影、コピーライティング、ブランディング戦略の策定などは対応範囲外であることが多いです。
対処法: 信頼できるフリーランスであれば、カメラマンやライターなどのパートナーを紹介してもらえます。最初の打ち合わせで「どこまで対応できるか」を確認しておきましょう。
「音信不通」リスクがゼロではない
厚生労働省の委託事業「フリーランス・トラブル110番」のデータによると、フリーランスとの取引でトラブルを経験した人は約半数にのぼります。中でもWeb制作では、「途中で連絡が取れなくなった」というケースが報告されています。
対処法: 契約前に以下の3点を確認してください。
- 契約書を交わしてくれるか(契約書なしの取引は7割以上というデータがあります)
- 支払いはマイルストーン方式か(着手金30〜50% + 納品後に残金が安全)
- 連絡の頻度と手段を事前に決められるか
病気・多忙時のバックアップ体制
フリーランスが体調不良や急なトラブルで動けなくなった場合、代わりの人がいません。制作会社であれば別の担当者が引き継げますが、フリーランスではそれが難しいです。
対処法: 「緊急時にサポートし合えるパートナーがいるか」を聞いてみてください。信頼できるフリーランスは、同業者とのネットワークを持っていることが多いです。
WordPress制作の依頼先でお悩みですか?まずはお気軽にご相談ください。
失敗しないフリーランスの選び方──5つのチェックポイント

大手クラウドソーシングサービスだけでも、約744万人が登録するサービスや260万人以上が登録するサービスが存在します。この中から「当たり」を引くのは簡単ではありません。
制作者側の視点から、本当にチェックすべき5つのポイントをお伝えします。
① 実績・ポートフォリオの「見るべき箇所」
ポートフォリオで見るべきは、デザインの見栄えだけではありません。
- 自分の業種・規模と近い制作実績があるか
- サイトの表示速度は速いか(実際にアクセスして確認できます)
- スマホで見たときの使い勝手はどうか

正直に言うと、ポートフォリオの「見栄えが良いサイト」と「成果が出るサイト」は別物です。SEO対策や問い合わせ導線まで考えて作られているかどうかが重要です。
② 見積もりの内訳が明確か
「WordPress制作一式 ○○万円」とだけ書かれた見積書は要注意です。
良い見積書には、以下のような項目が分かれて記載されています。
- デザイン費(トップページ、下層ページそれぞれ)
- コーディング費
- WordPress構築費
- レスポンシブ(スマホ)対応費
- SEO初期設定費
- 修正対応の回数・範囲
内訳が明確であれば、「何にいくら払っているのか」が分かり、後からのトラブルを防げます。
③ 納品後のサポート体制を確認する
ここが最も見落とされがちなポイントです。
納品して終わりのフリーランスと、公開後の運用まで見据えているフリーランスでは、サイトの価値が大きく変わります。以下を確認してください。
- 納品後の修正対応期間はあるか(1ヶ月〜3ヶ月が一般的)
- 保守・運用プランはあるか
- WordPressの更新やセキュリティ対策は誰が行うか
④ サーバー・ドメインの所有権は自社に残るか
これは非常に重要なポイントです。
サーバーやドメインの契約名義がフリーランス個人になっている場合、その方と連絡が取れなくなった時点で、自社のホームページにアクセスすらできなくなる可能性があります。
必ず自社名義でサーバー・ドメインを契約し、フリーランスには管理権限のみを付与する形にしてください。すでに制作者名義で契約している場合は、名義変更を依頼しましょう。
⑤ 契約書を交わしてくれるか
「フリーランスだから契約書なしで大丈夫」は危険です。
前述の通り、契約書を交わしていない取引は7割以上というデータがあります。2024年11月に施行されたフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)でも、書面による契約条件の明示が義務化されました。
契約書がないと、以下のようなトラブル時に何も証明できません。
- 納期の遅延
- 追加費用の請求
- 成果物の著作権の帰属
- 修正回数の上限
「契約書を用意してくれますか?」と聞いて、快く対応してくれるフリーランスを選びましょう。
依頼前に準備しておくとスムーズになること
最低限決めておきたい4項目
フリーランスに相談する前に、以下の4つを決めておくと、やりとりがスムーズに進みます。
- ホームページの目的:問い合わせを増やしたい、採用を強化したい、信頼感を高めたい、など
- 必要なページの構成:トップ、会社概要、サービス紹介、実績、お問い合わせ、ブログ、など
- 予算感:「30万円以内」「50万円くらいまで」などのざっくりした目安でOK
- 公開希望時期:「3ヶ月後までに」「急いでいない」など
完璧に決まっていなくても大丈夫です。「相談しながら決めたい」というスタンスでも、上の4つがなんとなく分かっていれば、フリーランス側は具体的な提案がしやすくなります。
参考サイトを3つ用意するだけで伝わり方が変わる
デザインのイメージを言葉で伝えるのは、プロ同士でも難しいものです。
「こんな雰囲気のサイトにしたい」という参考サイトを3つほどピックアップしておくと、制作者はかなり正確にイメージを掴めます。同業他社のサイトでも、異業種でも構いません。
「このサイトの色使いが好き」「このサイトのレイアウトが見やすい」など、何が気に入ったかも一言添えると、さらに精度が上がります。
納品後こそ大切──運用・保守で確認すべきこと
ホームページは「作って終わり」ではなく、公開後の運用でビジネス上の成果が決まります。納品前に必ず確認しておきたい2つのポイントがあります。
WordPressの更新・セキュリティ対策は誰がやるか
WordPressは定期的なアップデートが必要なソフトウェアです。WordPress本体、テーマ、プラグインの更新を放置すると、セキュリティの脆弱性を突かれてサイトが改ざんされるリスクがあります。
「自社で更新できるようにレクチャーしてもらう」か「保守契約を結んで制作者に任せる」か、事前に決めておきましょう。
保守契約の相場感と含まれる作業
WordPress保守の月額費用は、中小企業向けで月額5,000円〜30,000円が相場です。
| プラン | 月額目安 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 最低限プラン | 5,000円〜10,000円 | バックアップ、WordPress・プラグインの更新 |
| 標準プラン | 10,000円〜30,000円 | 上記 + セキュリティ対策、軽微な修正対応 |

月額5,000円程度の保守プランでは、障害が起きた時の復旧対応が含まれていないケースもあります。「何が含まれていて、何が別料金なのか」を事前に確認してください。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| フリーランスのメリット | 費用が安い、直接やりとり可能、対応が柔軟、得意分野に強い |
| フリーランスのデメリット | 対応範囲に限界あり、音信不通リスク、バックアップ体制が弱い |
| 費用相場(コーポレートサイト) | フリーランス:30万〜50万円 / 制作会社:50万〜150万円 |
| 選び方のポイント | 実績確認、見積もりの内訳、納品後サポート、所有権、契約書 |
| 依頼前の準備 | 目的・ページ構成・予算・時期を決める。参考サイトを3つ用意 |
| 納品後の運用 | WordPress更新の担当者を決める。保守契約の内容を確認する |
フリーランスへの依頼は、正しく選べば中小企業にとって最もコスパの良い選択肢です。
大切なのは、「安いから」という理由だけで選ばないこと。費用の安さは構造的なメリットであって、制作者の実力とは無関係です。実績・サポート体制・契約内容をしっかり確認した上で、信頼できるパートナーを見つけてください。
「フリーランスに依頼するのが初めてで不安」という方へ。
First CHでは、WordPress制作のご相談を無料で承っています。費用感や進め方など、お気軽にお問い合わせください。
